Q. AIエージェントに任せられる仕事が増えてきました。ただ、どこまで任せて、どこから人が見るべきか、線の引き方が分かりません。
AIに任せる範囲を広げるとき、「人が確認する箇所」はどう決めるか
先に、答えを。
「間違ったときに、取り返しがつくか」で線を引きます。 取り返しがつく仕事は、AIの出力を人がざっと見るだけ。つかない仕事は、外に出る直前に必ず人が止める箇所を手順の中に書きます。 線は一度引いて終わりではなく、慣れに合わせて少しずつ動かします。
「全部見る」も「全部任せる」も、続かない
任せる範囲が広がってくると、2つの極端に振れやすくなります。 心配だから全部見る。これでは、AIを入れた意味が薄れます。 面倒だから全部任せる。これは、間違いが外に出てから気づくことになります。
続くのは、その間です。 どこで人が見るかを、仕事ごとに決めておく。 それが「人が確認する箇所」の設計です。
物差しは、取り返しがつくか
線を引く物差しは、ひとつで足ります。 「間違ったときに、取り返しがつくか」です。
社内向けの要約、会議前の論点整理、下書きの段階の文章。 これらは間違っていても、読んだ人がその場で直せます。 AIの出力を、担当者がざっと目を通すだけで構いません。
顧客への送信、金額の入った見積、契約に関わる文面。 これらは外に出た瞬間に取り返しがつきにくくなります。 外に出る直前に、必ず人が止める箇所を手順の中に書いておきます。 「送信ボタンは人が押す」と決めるだけでも、事故の種類が変わります。
確認する「観点」まで書く
「人が確認する」と決めただけでは、確認が形だけになりがちです。 何を、何と突き合わせるかまで書いておきます。
- 数字は、元の表と一致しているか
- 顧客名・日付・金額は、依頼の原文と一致しているか
- この会社で使わない言い回しが混ざっていないか
観点が3つ決まっていれば、確認は数十秒で終わります。 観点がないと、確認する人が全文を読み直すことになり、結局「全部見る」に戻ります。
線は、動かしてよい
最初に引いた線は、慣れに合わせて動かして構いません。 3か月間、確認で一度も直さなかった仕事は、確認を軽くできます。 逆に、直しが続く仕事は、線を手前に戻します。 月に1回、線を見直す時間を取っておくと、任せる範囲が無理なく広がっていきます。