Q. 「判断基準をAIに渡す」と言われても、自分が何を基準に決めているのか、うまく言えません。何をすればいいですか?
判断基準を「言葉にする」とは、具体的に何をすることか
先に、答えを。
「社長がよく指摘すること」を10個、箇条書きにするところから始めます。 正しい定義を書こうとしなくて構いません。過去に「ここを直せ」と言った場面を思い出して並べるだけです。 それに「良かった成果物」を3つ添えると、AIが読める判断材料になります。
「基準」と言われると、身構えてしまう
判断基準を言葉にしてください、とお願いすると、多くの社長が「そんな立派なものはない」とおっしゃいます。 それで構いません。 ここで言う判断基準は、経営理念のような整った文章ではなく、「社長が部下の成果物を見たとき、つい直してしまう箇所」のことです。
やること1:よく指摘することを10個
まず、過去1か月に部下へ「ここを直して」と言った場面を思い出してください。 「数字は先に出せ」「この客先には敬語を崩すな」「結論を最初に書け」「この言葉は使わない」。 こういうものを、10個、箇条書きにします。
順番も、重要度も、気にしなくて大丈夫です。 思い出せた順に並べてください。 この10個が、AIにとっては「この会社では、こう判断する」という最初の手がかりになります。
やること2:良かった成果物を3つ
次に、過去の成果物の中で「これは良かった」というものを3つ選びます。 提案書でも、顧客への返信でも、社内の報告でも構いません。 それぞれに、「なぜ良かったか」を一行だけ添えます。
AIは、「こうしろ」という指示より、「これが良い例」という実物のほうを正確に読み取ります。 指摘の10個と、良い例の3つ。 この2つがそろうと、AIの出力が「一般的な文章」から「この会社の文章」に変わり始めます。
置き場所を決めて、終わり
書き出したものは、共有フォルダなど、1か所に置きます。 社長の頭の中にあったものが、担当者もAIも見に行ける場所に移る。 これが「判断基準を言葉にする」のゴールです。
ご相談の場では、私が質問をしながら、社長が口で答えたことをその場で書き留めていきます。 机に向かって書き出す必要はありません。