経営者の一問一答
Q. AIを入れたいのですが、どの業務から始めるのが効果的ですか?
どの業務からAIに任せるのがよいか
先に、答えを。
毎週・毎月くり返していて、人が最後に確認できる業務が一案です。 「効果が大きそうな業務」より、「失敗しても取り返せる業務」から始めます。 最初の1つで渡し方を覚えると、2つ目からは早くなります。
選ぶ物差しは、2つ
最初の業務を選ぶとき、私は2つの物差しで見ます。
ひとつは、くり返しの多さです。 毎週・毎月、同じ手順で起きる仕事は、一度渡し方を作れば、そのあと何度も効きます。 年に1回の仕事は、後回しで構いません。
もうひとつは、人が最後に確認できるかです。 AIが作ったものを、担当者か社長が見てから外に出せる仕事なら、間違いがあってもその場で止められます。 確認をはさめない仕事は、慣れてからにします。
「効果が大きそうな業務」から始めたくなりますが、そういう業務は、たいてい判断が複雑で、確認も難しいものです。 最初の1つは、地味なくらいでちょうどいい、というのが実感です。
よく最初に選ばれる仕事
ご相談の場でよく候補にあがるのは、次のような仕事です。
- 各部署からの報告や議事録を読んで、判断が要る点だけを先にまとめる
- 顧客からの問い合わせに、会社の方針に沿った返信の下書きを作る
- 見積や提案書の、毎回同じ部分を先に埋めておく
- 会議の前に、見るべき数字と前回からの変化を一枚にする
どれも「社長が読む前に、誰かが整えておいてくれたら助かる」仕事です。 最初の一手として、判断そのものを渡すのではなく、判断の前の準備を渡す、と考えると選びやすくなります。
1つ目で覚えるのは、業務ではなく渡し方
1つ目の業務で本当に手に入るのは、その業務が楽になることより、「AIに仕事を渡すとはこういうことか」という感覚です。 判断基準をどう言葉にするか、どこで人が確認するか、うまくいかなかったときどう直すか。 これが分かると、2つ目以降は自分で選べるようになります。
ご相談では、最初の1か月ほどで社長の仕事を棚卸しし、時間と経営上の重要度を見ながら、この「最初の1つ」を一緒に選びます。